洋学史学会若手部会

洋学史学会に所属する大学院生・学部生を中心とする若手部会です。

【第7回若手部会】内容報告

第7回若手部会を開催いたしました。今回の報告は、会員2名による研究報告でした。以下にその概要を報告いたします。

 

日時:2018年8月4日(土)15:00~18:00

 

研究報告①

報告者:佐々木千恵(早稲田大学大学院博士後期課程)

題目:「幕末維新期における洋学統制と啓蒙活動――洋学所における書籍検閲・官板出版と柳河春三による啓蒙活動」
 

 本報告は、氏が2018年3月同大大学院同研究科に提出した修士論文のダイジェスト版である。報告では、幕府直轄教育機関であった「洋学所」による翻訳書の草稿検閲や官板出版がどのように行なわれ、情報や知識がどのように発信されるようになったかに焦点をあて、幕末の洋学統制について検討をするものであった。洋学所での検閲制度に関して、「開版見改元帳二」を手がかりにして翻訳書の草稿検閲を整理し検討を行った結果、洋学所での検閲制度は厳しい思想統制を目指すといった類のものではなかった、という指摘も報告された。その他、柳河春三が発行した『中外新聞』の意義を検討するには、『中外新聞』以前に発行されていた「新聞」の検討を行う必要があるとの指摘もあった。報告後、フロアからは柳河春三の「新聞」出版と幕府による使節団の派遣との関係に関するもの、諸藩の洋学所との比較に関する質問があった。

 

研究報告②

報告者:橋本真吾(東京工業大学大学院博士後期課程)

題目:「遣欧・遣米使節」 

 橋本報告は、『洋学史研究事典』掲載項目の検討会であった。

                                (文・橋本真吾)