洋学史学会若手部会

洋学史学会に所属する大学院生・学部生を中心とする若手部会です。

【第1回若手部会】内容報告

 HP公開に先立ち、第1回若手部会を2017年8月9に開催しました。

 初回開催は、9月に院試を控えた学生2名による院試リハーサルを行いました。参加者は7名。以下、簡単にその内容を報告いたします。

 

 第1回目の若手部会は、東京工業大学大学院の入試(博士前期課程)を控えた学生2名による口頭試問リハーサルを行いました。本番と同じ要領で行ったため、報告者は持ち時間10分で研究計画の発表をしていただき、残り時間は参加者による質疑応答としました。

 

 まず、小山報告「江戸時代の測量術と絵図作成に関する史料の書誌学的研究」では、江戸時代に出版された測量術書が、領地の確認、耕地・鉱山開発といった様々な用途から作製された絵図において、書誌調査を行うことで関係性を明らかにするという研究計画を報告していただきました。

 続く薄井報告「写真化学における銀塩印画調色技法の歴史的展開に関する研究」では、19世紀に成立した「銀塩印画調色」と呼ばれる技法が生まれた背景や、ヨーロッパおよび日本の化学教育においてそれらの技術がどのような教育体制のなかで受容されたのか明らかにする、という趣旨の報告をしていただきました。

 

 報告の性質上、聴者からは研究計画や実現可能性といった点にも踏み込んだ活発な議論が展開されました。具体的には、博士課程進学を射程にいれた修士論文の研究テーマの考え方や、研究計画をどのように実行してゆくべきかといったように、当日の予行演習という意味にとどまらない、長期的な視野に基づくアドバイスを多くいただくことができたと思います。報告者、参加者の皆様、どうもお疲れ様でした。

 

 第2回自主ゼミは、2017年10月8日(日)開催予定です。

 

※後日、小山氏、薄井氏ともに大学院合格の連絡をいただきました。両名とも、おめでとうございます!また、多くの有益なコメント・アドバイスをくださった参加者の皆様にも、この場を借りて感謝申し上げます。

                                (文・阿部大地)