洋学史学会若手部会では、下記日程にて研究報告会を開催いたします。ご関心のある方は奮ってご参加ください。
◆2025年度洋学史学会若手部会12月例会
日時:2025年12月6日(土)15時〜
オンライン開催(オンライン参加用Zoom URLは後日、報告資料と同時配布を予定)
事前登録制。登録はこちらから。
登録締切12月4日(木)
報告者 工藤璃輝(八戸工業高等専門学校 総合科学教育科 助教)
報告タイトル 「伝三浦梅園所有の顕微鏡の文献・実物調査」
〈報告要旨〉
三浦梅園(享保8年(1723)〜寛政元年(1789))のものと伝えられる顕微鏡が存在することは、1912年に出版された『梅園全集』にすでに記載がある。もしも三浦梅園が所有していたことが確かであれば、この顕微鏡は日本の顕微鏡としては最古級となる。
ところがこの顕微鏡は、科学史上大きな意味を持ち得るものであるにもかかわらず、大雑把な調査しかされて来なかった。この顕微鏡を扱った先行研究はいくつか存在するものの、それらの間で顕微鏡に搭載されているレンズの枚数が一致していないなどの問題を抱えている。
先行研究においてこの顕微鏡が梅園所有のものであったとされる根拠は、梅園の詩「吉雄耕牛西洋ノ管窺鏡画ヲ恵マルヲ謝ス」である。題の中にある「管窺鏡画」が顕微鏡のことではないかと言われてきたが、この説には異論がある。
本発表ではまず、「管窺鏡画」が顕微鏡のことであるかどうかについての議論を紹介する。次に、梅園が行なったとされる顕微鏡による観察を紹介する。そして、この顕微鏡の実物調査の結果を報告する。最後に、梅園の顕微鏡に関する議論を整理し、考察を行う。
〈参考文献〉
田中新一『顕微鏡の歴史』九州文庫出版社、1979年。
林春雄『写真で見る顕微鏡発達の史的展望』、1988年。
浜松昭二「<現代語訳>吉雄耕牛が西洋眼鏡絵を贈ってきたことに謝す」『大分梅園研究』第6号、1988年、112–119頁。