洋学史学会若手部会

洋学史学会に所属する大学院生・学部生を中心とする若手部会です。

洋学関連の展覧会情報(群馬県立博物館)

洋学史学会後援の展覧会情報です。

群馬県立歴史博物館第96回企画展「すごいぞ!江戸の科学」についてお知らせいたします。チラシPDFはこちらからご覧ください。

本展覧会は、地図・天文暦学・和算の発展に寄与した江戸時代の科学者たちの人物像とその功績、そして和算の盛んな地であった上野国にスポットを当てます(チラシより引用)

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【第6回若手部会】内容報告

第6回若手部会を開催いたしました。今回の報告は、会員2名による研究報告でした。以下にその概要を報告いたします。

 

日時:2018年6月2日(土)15:00~18:15

研究報告①

報告者:阿部大地(西南学院大学大学院博士後期課程)

題目:「ウィーン万国博覧会の展示品収集――派遣局員に注目して」

 

 ウィーン万国博覧会のために全国各地から集められた物品を管理する博覧会事務局に着目し、東京国立博物館所蔵の諸資料を用いて、全国的な展示品収集の実態について考察がなされた。報告後、フロアからは、全国に送付された「物産大略」に地域差が出てくる理由や収集品のなかで鉱物が重視される理由についての質問があった。さらに、「物産大略」(ないしは『五畿八道産物記』)の成立過程に関して江戸時代の風土記などの影響があるのではないかといった指摘や、明治初期の政治局面の動乱との関連を説明した方がよいのではないかといった指摘がなされ、討論が行われた。

 

研究報告②

報告者:塚越俊志(法政大学第二中高等学校非常勤講師)

題目:「土佐藩蝦夷地開拓・警衛とロシア認識」


 土佐藩における蝦夷地開拓および警衛について、藩主山内豊信や坂本龍馬の構想をもとに明らかにし、さらに蝦夷地警衛の背後にあるロシアへの意識も視野に入れた考察がなされた。報告者によれば、土佐藩は幕末の早い時期から独自に情報を集めて着実に準備をしていたことが、明治以降に蝦夷地開拓・警衛をスムーズに進めることに繋がったという。報告後、フロアからは、山内豊信が蝦夷地に興味を持った契機やロシアに関する情報の入手の方法について、また蝦夷地開拓における共同体意識または藩意識の有無についての質問があり、討論が行われた。

                                 (文・阿曽歩)

 

【洋学史学会若手部会6月例会(第6回)】開催案内

第6回若手部会を開催いたします。

ご関心のある方は、この機会に是非お越し下さい。

(お問い合わせ先:洋学史学会若手部会 yougakushi.wakate@gmail.com)

 

【第6回若手部会】

日時:2018年6月2日(土)15:00~

会場:電気通信大学東1号館8階806会議室

参加資格:なし。事前登録制(受付はこちら

 15:00~16:30:研究報告①

報告者:阿部大地(西南学院大学大学院博士後期課程)

題目:「ウィーン万国博覧会の展示品収集――派遣局員に注目して」

16:30~16:45:休憩

16:45~18:15:研究報告②

報告者:塚越俊志(法政大学第二中高等学校非常勤講師)

題目:「土佐藩の蝦夷地開拓・警衛とロシア認識」

19:00~   :懇親会(調布駅近郊にて)

【洋学史学会若手部会4月例会(第5回)】開催案内

第5回若手部会を開催いたします。どなたでもご参加いただけますので、ご関心のある方はこの機会に是非お越し下さい(要事前登録:下記参照)。

(お問い合わせ先:洋学史学会若手部会 yougakushi.wakate@gmail.com)

今回は5月20日(日)開催の洋学史学会に向けたプレ報告として、洋学史研究をめぐる各テーマについて、最新の研究動向と展望について会員それぞれの立場から報告していただきます。また、各報告の終了後に洋学史学会での承認に向けて若手部会の会則を議論する場を設ける予定です。

 

【第5回若手部会】

日時:2018年4月7日(土)15:00~

会場:電気通信大学東1号館8階806会議室

参加費:無料 事前登録制(受付はこちら

15:00~15:05:趣旨説明

担当:阿部大地(西南学院大学大学院博士後期課程)

15:05~15:45:報告①

報告者・題目:松尾悠亮(明治大学大学院博士後期課程)「蘭癖大名」

15:50~16:30:報告②

報告者・題目:堅田智子(上智大学文学部特別研究員)「ミッション・スクール」

16:40~17:20:報告③

報告者・題目:阿曽歩(国際基督教大学大学院博士後期課程)「文法」

17:25~18:05:報告④

報告者・題目:阿部大地(西南学院大学大学院博士後期課程)「三重の本草学」

18:10〜18:40:会則について議論

19:00~   :懇親会(調布駅近郊にて)

【第4回若手部会】内容報告

第4回若手部会を開催いたしました。今回の報告は、会員2名による研究報告でした。以下にその概要を報告いたします。

 

日時:2018年2月17日(土)15:00~

 

研究報告①

報告者:渡邉奨太(東海大学大学院博士前期課程)

題目:「「蛮社の獄」に関する一考察」

 

 『慎機論』・『戊戌夢物語』等にみられる渡辺崋山・高野長英の思想と薪水給与令(天保13年)の関連性を指摘し、さらに天保期以降の江戸幕府の海防政策や風説禁止令(嘉永3年)と関連づけて蛮社の獄を位置づけようとするものだった。報告後、フロアからはまず、モリソン号事件の情報が尚歯会メンバーに流れた背景についての指摘があり、そして、佐藤昌介氏ら先行研究への報告者の立ち位置、海防論を中心にした崋山・長英の思想の独自性や影響力、報告者の考える蛮社の獄と風説禁止令との関連性等についての質問があり討論が行われた。

 

研究報告②

報告者:橋本真吾(東京工業大学大学院博士後期課程)

題目:「箕作省吾訳『話聖東小伝』の成立とその影響―小関三英『ナポレオン伝』との比較を通じて」

 

 アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントン像が幕末期の日本においてどのように形成されたのか考察し、そしてナポレオン像と比較しながらその歴史的な意義を論じるという内容だった。報告者は「話聖東小伝」(箕作省吾『坤與図識補』所収)というワシントンの伝記の箕作阮甫・省吾による訳文成立の過程を明らかにし、また、それが広く筆写された実態、さらにワシントンに関して様々な人物が言及していたことを通して、公議政体論への影響という点からワシントン像の流布を意義付けた。報告後、フロアからは、比較対象としてナポレオンだけでなくピョートル一世像も入れるべきではないか、「話聖東小伝」以外のワシントン情報が日本へ入ってくるルート、「話聖東小伝」のオランダ語原典の史料批判についての指摘があった。さらに、なぜワシントンや人物像そのものに注目が集まったのか、「話聖東小伝」中でワシントンに「話聖東」という字があてられた理由についての質問があり討論が行われた。

                                (文・阿部大地)

【洋学史学会若手部会2月例会(第4回)】開催案内

第4回若手部会を開催いたします。

ご関心のある方は、この機会に是非お越し下さい。

(お問い合わせ先:洋学史学会若手部会 yougakushi.wakate@gmail.com)

 

【第4回若手部会】

日時:2018年2月17日(土)15:00~

会場:電気通信大学東1号館8階806会議室

参加資格:なし。事前登録制(受付はこちら

 15:00~16:30:研究報告①

報告者:渡邉奨太(東海大学大学院博士前期課程)

題目:「「蛮社の獄」に関する一考察」

16:30~16:45:休憩

16:45~18:15:研究報告②

報告者:橋本真吾(東京工業大学大学院博士後期課程)

題目:「箕作省吾訳『話聖東小伝』の成立とその影響―小関三英『ナポレオン伝』との比較を通じて」

19:00~   :懇親会(調布駅近郊にて)